ごあいさつ

川喜田晶子 プロフィール

KJ法本部・川喜田研究所 
代表取締役・所長 川喜田 晶子(かわきた あきこ)

1963年生まれ。
京都大学文学部国語学国文学科卒業。
KJ法本部・川喜田研究所 主任研究員、霧芯館-KJ法教育・研修-主宰・講師を経て、現在、KJ法本部・川喜田研究所 代表取締役・所長。
KJ法創案者の川喜田二郎は義父に当たる。
多分野の研修・セミナー・ワークショップ等の実施、修士論文・博士論文・学術誌投稿論文へのスーパーヴァイズ、大学での演習等を通じて、長年KJ法の普及活動に携わる。

川喜田研究所におけるKJ法セミナー・研修コースのポリシーについて

川喜田研究所のセミナーや研修は、なによりもKJ法の本質を正しく伝えるものであることを最重視しております。

川喜田二郎が創案し、その著作において明晰に語られているKJ法ではありますが、いざ、著作をもとにして実践しようとすると、いつのまにか歪んだプロセスと結果に陥りやすい方法でもあります。

歪んだ実践の癖をつけないためには、セミナーや研修を受講していただくことで、この方法の本質を体感していただくのがなにより大切であると考えております。知識としての理解を超えて、データとのやりとりを直接体験する中で、実践への活路を見出していただく必要があります。

種々のメディアには、KJ法についての粗雑な概括や誤った情報の掲載が数多く見受けられます。学術誌においても、歪んだ理解に基づく論文が多々掲載されております。それらはいずれも、この方法を矮小に解釈した結果であり、KJ法でなくとも可能な、情報の単なる整理・分類や恣意的な解釈・分析の技術として紹介・活用してしまっています。

川喜田研究所では、KJ法でなければ出来ないこととは何か、その本質理解と実践のために、KJ法の多彩な技法の中から適切なコーディネートによってセミナーや研修のコースを構築し、極力負担感の少ない、シンプルなかたちで、初心者にも無理なく習得していただけるようにしております。

KJ法は、奥ゆきのある方法です。知識としての理解とともに、ぜひ、実践によってしか得られない本質の体感を、味わっていただきたいと願っています。

KJ法の本質は、創案者・川喜田二郎の言うように、〈渾沌をして語らしめる〉というフレーズに要約することができます。

大量のデータや未知のフィールドという「渾沌」を、デジタルに処理するのではなく、データそれ自身の訴えかけとわれわれ人間との有機的なやりとりの中から、あくまでも「創造的に」発想してゆくことで、われわれ自身や現場を変容させてゆくことのできる方法です。

人間にしか出来ない発想とはどのようなものか、ということが、これからは鋭く問われる時代となってまいりますが、個々人の思考能力・感受性・発想力のトレーニングのためにこそ、KJ法は大いに威力を発揮してくれます。

幅広い領域、多彩なニーズに、シンプルに対応できるKJ法の本質と、まっすぐに出逢っていただきたいと祈念しております。